質問
ポイント
良いトコ取りをしましょう。
[移動ド]と[固定ド]
「固定ド」は音を絶対的な音の高さです。ドはドであり、ド#はド#で表現するのに対し「移動ド」は音を階名(相対的な音の高さ)として考えます。
注意ポイント
「D-E-F#-G-A-B-C#-D」は、
固定ドであれば「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」ですが、
移動ドであれば「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」と歌えます。
どっちがいいの?
移動ド・固定ドの質問は結構多く頂きます。しかし、この質問をされる生徒様のほとんどはどちらか一方の考え方しか受け入れようとしていません。どちらにも、メリット、デメリットがあるという事を把握し、苦い経験をして、もう一方の考え方を受け入れましょう。一方に決める必要はありません。まずは頭を柔らかくすることです。
移動ドに特化している方は、なんと言っても音楽としての把握能力が高いです。キーが変わっても、さほど苦労せずに、メロディを感じられ、それが記憶にも繋がります。移動ドの力が高い方が、初期の段階でもきちんと音楽として流れます。しかし、1曲を学ぶペースはとても遅いです。また、無調の曲や転調の多い曲では苦労してしまいます。
固定ドに特化している方は、新しい楽曲を学ぶ際の情報収集力が高いです。また、キーを書く必要がないぐらい非機能進行が展開される楽曲でも、比較的スムーズに練習をしていけます。固定ドの力が高い方は、音楽の仕組みをスムーズに理解出来ます。しかし、初期の段階で頭でっかちで流れない音楽になりますし、歌い手さんに合わせて移調することが非常に困難です。
解決策
ということで、過去の生徒では移動ドが得意な方は、だいたい譜面が弱く、指板の音がすぐに分からない方が多かったので、初見力を鍛え、今鳴っている絶対音を知る訓練をしてもらっています。移動ドの弱点をカバー出来ると思います。
また固定ドが得意な方はメロディをよく歌う事ですね。シンプルで誰もが知っている楽曲で良いんです。かえるの歌とか・・。ドレミの歌とか、民謡とか結婚式の歌とか。楽曲の特徴的なインターバルを把握することですね。そんな歌じゃつまらないって人はジャズの曲でもいいですよ。
絶対に必要な技術ではありませんが、どちらもある程度出来た方が、新しい曲を学ぶ時、キーを移調して弾く時、ストレスが軽減されることは間違いありません。
私は固定ドで読んでいるので、譜面には強い方です。でも、演奏している時は移動ドで感じている事も多いです。チェイスをしている時など、他楽器の早いパッセージなどを聴き取るには移動ドがいいのです。
本音を言うと・・・
でも、もっと言えば、そんな風に「今は移動ドだ!」とか「ここは固定ドだ」なんて全く意識はしていなくて、「自分の演奏が上手くいくように・・・」努力して、必要な技術を学んでいければ良いなと思っています。
例えば「左手の親指での押弦」なんかもそうで、昔は、「親指なんて邪道!!」って思ってたんですけど、やってみると、結構便利ですし、親指を使うからこそ出せるサウンドもあります。経験上、だいたいは自分が出来ないから、自分より上手くいっている人への妬みというかなんというか、そういった気持ちが逆に意固地になり、可能性を縮めてしまうのですね。人生もそうかも知れませんが(笑)
良いな・・・カッコ良いなと思う部分は認めて、自分に取り入れて、更に発展させればいいんですよ!真似しているだけで終わらないように・・・必ず自分のモノにする・・・そんな所に意固地になりたいなと思います。