自信の無さが音に乗る
レッスンでの質問でした。
「暗いって、どういうことでしょう?」私は一瞬わかりませんでした。伴奏の音は合っています。演奏方法も合っています。残るはタッチですね。音を出すのが弱過ぎて「リズムがはっきりしないぼやけたサウンド」となっていました。生徒様はそれを「暗い」という言葉で表現していました。「録音する」ということで「間違えてはいけない」と弱いタッチになってしまっていたのでしょうね。
ポイント
自信の無さは音に乗ってしまいます。
間違えても良いので、まず「良い音を出そう」と思ってください。
押しても撫でてもダメ、弾くのです!
教室に初めていらして、緊張されている生徒様は多いです。すると、力んでしまったり、逆に自信がなさ過ぎてしっかり弾けてなかったり。ギターの弦を弾くのって、指導していると凄く難しい。手首のスナップが強い人もいれば、そうでない人もいる。ピックを握り過ぎてしまう人もいる。弦を撫でるような感じで弾くと芯の無い音になります。時にはそういった音が必要な時もありますよ、でも、ギターって「はじく」って書いて「ひく」と読みますよね。「押す」でも「撫でる」でもないのです。優しく速く弾いてみましょう!1本の弦を長く振動させるには、力を入れ過ぎても、入れ無さ過ぎてもダメ、その適度な力をいつどんな状況でもコントロール出来るように練習していきます。
ポイント
「優しく速く!」がポイントだけど、一番はアンプからの出音をしっかり聴くこと!
Morenoのダウンピッキングは凄いスピード!
いつまで経っても、まだまだです
レッスンでは、「課題が全然出来ていない!全然ダメ」と縮こまって、すぐ演奏を止めてしまったり、「家でやっておきます」と逃げてしまう方がいらっしゃいます。いったい誰と比べて全然ダメなのでしょうか?CDで聴くアーティストでしょうか?周囲の人?自分自身の感覚?ジャズの道は何年経っても「まだまだ」です。私はジャズを始めて23年が経ちましたが(2018年現在)、「まだまだ」です。日々、自分の演奏を録画しては自分にダメ出しの連続です。出来ないから自分はこれからも練習が続けられますし、きっと伸びていけると思っています。「まだまだが続く」ことを受け入れることが出来た時、あなたの演奏は「そこそこ」なのでしょうね。
いま出来ることでいい
ポイント
メンバーの中で、ギターはあなたが一番上手いんですよ!
私の経験談
- 「頑張ろう」と思うと大抵失敗します
- 「良いところを見せよう!」と思うと緊張します
- 「このフレーズを弾こう!」と思うと周りの音が聴こえなくなります
「本番演奏する際は、お正月にコタツに入って正月TV番組を見ながら、みかんでも食べている時ぐらいの気持ちでいましょう!」とレッスンではよく話します。それぐらいリラックスすると周囲の音がクリアに聴こえてきます。聴こえてきて反応することが可能になっていきます。頑張るのはステージを迎える日までの練習ですよね!頑張って練習をして、沢山ミスをしてきたから大丈夫です。本番は自分なりに楽しみましょう。
虚栄心と戦え!
周囲に聴こえるのでは?と思えるほどの心臓の鼓動。そんな中、自分は今からヒーローだ!と思いながら、何回ステージに立ったことでしょう・・・その度に緊張してボロボロの演奏になった過去の自分。頑張っていた時期のライブはいつも悲惨な状況でした。それでもいつか慣れるものだろう!と、何度もチャレンジしました。しかし慣れることがないまま、怪我をして(左手の指を骨折)私は色々なものを捨てることが出来ました。一番は虚栄心。自分がこうありたい!って思うのは良いと思うんですけどね、ステージ(本番)では邪魔な心です。虚栄心なく、自分の出している音を楽しもうとすると、音楽に入ることが出来ます。これが音楽に集中するということ。
「自分の価値を高める?」というお題で書いてきましたが、別に高める必要なんてありません。自分を大きく見せる必要もありません。いつもの自分でOKなんです。それが一番かっこいいです!「こんなもんでいいか〜」が一番良い結果を生みます。分かっていても、心の底からそう思えるまでは、やっぱり緊張しますけどね。レッスンで弾く時、誰かの前で弾く時、1回1回がいつもの自分でいられるようにするための練習です。演奏内容のことを当日に考えてもそんなに演奏は変わりませんよ、常に自然体でいましょう。