無料ワンポイントレッスン#41〜#50
ホームページを最初に作った時(2003年)に書いていた「全175回の無料ワンポイントレッスン」です。古い記事のため、読みやすく配慮していない文字情報ですが、リニューアルで削除せずに残すことにしました。
第41回:リズムの感じ方
今回はリズムをどこで感じているのか
を書きたいと思います。
まず、表面的には足が動いていたり頭が動いていたり、
肩から腰まで動いていたりと様々です。
私は耳から入ってきて、
喉の奥の方でカウントを取っているような気がします。
今回書こうと思ったのは表面的な部分ではありません。
カウントは必ず頭拍で取る
ということです。
これには異論が沢山出るかも知れませんね(汗)
あくまで私はこう思っているということです。
勉強を始めた初期の段階では、
2拍4拍にだけメトロノームを鳴らしていました。
これは非常に有効な方法でした。
特にリズムを刻む練習をするときはとても重要な練習方法です。
しかし、実際の演奏では
私は頭拍(1・3拍)でカウントをしています。
また8分音符を感じる時は
(1・2・3・4拍)を感じています。
何故こうしているのか?というと。
もともとバックビートというのは
体の中で強烈に感じるものだからです。
黒人さんが歩いているところを見るとよく分かります。
1歩足を出すのを頭拍だと考えると、
肩から腰のあたりで足を追うように裏拍を感じているようです。
足を出しては肩が裏拍を取って、
また足が出る・・・
このいつでもバックビートを感じている状態が理想だと思いました。
実際にこうやって歩くと
妙に偉そうですが(^^;)
少し意識してみてはいかがでしょうか?
その為、
私はカウントを取る際も頭拍で足を踏んだり、うなずいたりしています。
第42回:クリスタルトーンの定義
クリスタルトーンって何?
きっと誰も聞いたことがないでしょう。
それもそのはず、私が勝手にそう呼んでいるからです。(^ー^)
さて、私は
希少価値の高い音をクリスタルトーンと呼んでいます。
さて、希少価値の高い音とはいったい何でしょう?
コードトーンでもテンションでもない。外れた音です。
その外れた音の中に時と場合により、
コードトーンやテンションよりも
はるかに輝きを持った音があります。
何故、その音が突然輝きを持つのか?
それは、曲の持つ雰囲気やコード進行、
他のメロディ部分との兼ね合い、
音の繋がり、私の耳の不具合(笑)
などなど、色々な条件が重なりあって出てきます。
理論上は使ってはいけないと書かれていても、
その存在感はコードトーンをも超える場合があります。
このような、音楽的な部分を面倒臭いと感じる人は
音楽の楽しみを1つ減らすことになるのではないでしょうか?
理論なんて確立されているようで、
あいまいな部分が多いものです。
というのは、理論に「この音は使って良い!」と書いてしまったら
読者はどこでも使用していいんだ!と思います。
ですが、音楽とはそれほど単純なものではないと思います。
第43回:クリスタルトーンの実例
さて、では実際にクリスタルトーンと
私が呼んでいるものの幾つかをご紹介します。
まずは音の流れによりコードトーンよりも強い輝きを持つもの
G7→Cという進行があったとします。
この際の解決というのはコードトーンに行くのですが、
コードトーンより更に素敵な輝きを持つのが
9th解決と呼ばれる方法です。
G7上において、E♭からBへと下がった後、
解決する場合このBの音はCのコードトーンよりも
Cの9thであるDに行きたがります。
この9thは他の解決の流れより一層際立って聴こえます。
この9th解決で9thの音をコードトーンより
輝きを持たせる手法には
幾つかの決まった流れがあるように思われます。
例えば、G7のRootであるGの音に向かって
下降して(どんな下降の仕方でも構いません)
Cに解決する部分でG→Dと上がる。
つまり5度上がって解決する際に9thの音にする
といった論理を組み立てるわけです。
普通に弾いたら9thは
コレといって解決させる意味のない輝きしか出せないでしょう。
でも弾き方次第で流れの中で輝きを持たせることが出来るのです。
色々研究してみてはいかがでしょうか?
曲のメロディに対するクリスタルトーン
マイナーの曲において
ナチュラル13thという音ほど個性を持った音は少ないです。
この癖のあるナチュラル13thがどの程度の色を持っているか
Joe Hendersonの「Recoder Me」を聴いてみて下さい。
このカラーを覚えてしまえば、
欲しいときにこのサウンドをいつでも出せます。
しかし、これはマイナーのトーナリティーに
とらわれている時間が長いほど有効なようで、
ⅡーⅤに組み込むことは難しいと思います。
この他にも色々とありますので研究してみてはどうでしょうか?
○ー7♭5上のナチュラル9th
○M7上の#5や#11
○7上のM7
などなどユニークで強烈なカラーを出せるように
練習するのも楽しいですね。
第44回:即興演奏
先日、ある知り合いから
素晴らしい心のトレーニング方法を聞きました。
それは即興演奏を始める第一歩に相応しいものでした。
それは、もうサティの世界です。
コード進行はCM7→FM7→CM7→FM7
そうこのコード進行に秘密が隠されているようです。
永遠と続くコード進行にどこか
時が止まっているような静けさがあります。
このコード進行の上では白鍵全ての音が許され、
心を大切に演奏を続けると
多くのひらめきを受け取ることが出来ます。
是非一度試して見て下さい。
第45回:奇数リズム
数年前から、変拍子のリズムは
NYを始めとするハイレベルな演奏を行う場所では
注目を集めています。
拍子には4分の3拍子、4分の5拍子、
4分の7拍子、8分の6拍子・・・
ややこしいものを考えればいくらでも出てきますが、
ここで言う奇数リズムとは
単音によるソロフレーズの奇数リズムです。
奇数リズムは時として非常にジャズらしさを感じます。
1拍半、3連符、5連符、2拍3連
これらのリズムがソロに自然に組み込まれるようになると、
そのソロはとてもスリリングに聴こえるでしょう。
「だからどうなんだ?」「どう演奏するんだ?」
と思うかも知れません。
その演奏方法を説明することが大切だとは思いません。
重要なことはもう書いてある通り、
奇数リズムがソロをスリリングにさせると。
つまり・・・
テンション感を出そうとする時の1つの手法
だと考えておくべきです。
まぁ、そうは言っても演奏の仕方は知りたいことだと思いますので1つ。
偶数の音で構成された音内
(例えば、コードトーンやディミニッシュなど)を
奇数リズムで演奏するのは非常に格好良いです。
第46回:トライアドの使用方法
ジャズの演奏においてCとかA-とか記譜されていても
特別な記述(△)がない限り
通常は7thの音まで出すことが重要です。
しかし、ECMレーベルを代表とする表情に富んだ音楽においては
トライアドの使用はとても大切です。
たとえば、私のHPのトップページの音楽
「尾鷲からの贈り物」でのコード進行は
GM7→D7→E-7
というコード進行で始まりますが、
演奏の細かい部分を見ると次のようになります。
Gadd9th→D△/F#→E-7(9)
このように、私はスムーズなベースの流れを持たせる為に
和音をあえてトライアドの形にして
ベースをそのトライアドの3度もしくは5度に持ってきます。
このようなベースの流れを意識した進行は
非常に強いカラーを持たせることが出来ますし、
ジャズに限らず、ポップスや
ヒーリング・ミュージック的なものにも効果的です。
第47回:トライアドの可能性
トライアドの使用方法では、
コード進行にスムーズな流れを持たせる方法として
3度や5度をベースにするとお話しました。
ここでは、あるベースの音の上にあるトライアド
(アッパーストラクチャートライアド)の
可能性を考えてみましょう。
難しいですが、考えれば分かることです。
例えばCM7を例にあげましょう。
CM7の構成音はC,E,G,Bですね。
ベース音と上のコードトーンを分けるとベース音Cに対して、
(E-△)E+G+Bが入っています。
つまりCM7はE-△/Cと考えられます。
同様の作業をCM7(9)でやってみましょう。
構成音はC+E+G+B+Dですね、
ではベース音Cと上の音を分けて考えて見ましょう。
E-△(E+G+B)は勿論G△(G+B+D)もあります。
更によく見るとトライアドではなく
E-7(E+G+B+D)にもなっています。
これがアッパーストラクチャー・トライアドの考え方です。
あらゆるトライアドを同じベース音の上に乗せて
コードネームを考えてみると意外な発見がありますよ。
第48回:トライアドの種類
「そもそもトライアドとは何なんでしょう?」
一般的にトライアドと呼ばれるものは
○△、○m△、○△+、○△゜の4種類です。
しかしトライアドとは3和音のことです。
3和音はまだまだ存在します。今回はそのうちの幾つかをご紹介します。
1、sus2トライアド=R+2度+5度の音程。
例~C+D+G
2、sus4トライアド=R+4度+5度の音程。
例~C+F+G
3、sus2&4トライアド=2度+4度+5度の音程。
例~D+F+G(ベース=C音)
4、密集された音群=短2度の音程を含む3音コード。
例~C+D+E♭
などなど、一言でトライアドと言っても奥が深いものです。
これらを完全に把握してソロを繋げたら、
とってもスリリングですよ。
一度、頭で考えたものを譜面に書いてみると
そのテンション感を理解していただけると思います。
第49回:耳コピのすすめ<和音編>
さて、今回は和音をコピーしてみましょう。
和音を取ることは色々な情報を頭の中でまとめています。
たとえば・・・・
1、その人の個性
2、コード進行
3、指の限界
といった事を考えながら取り始めます。
勿論最初からそんな事は分からないかも知れません。
そして分からない以上に、
和音を取るのが困難に感じるかもしれません。
しかし、和音もコツコツと採っているうちに
だんだんと採り易くなってくるはずです。
1、はジョーパスやウェスだったら、
ブロックコードの中でも分かり易いものが多いですし、
ジムホール、エドビッカートなどは4度堆積が多いと思います。
2、はコード進行が分かれば(予想できれば)
コードも限定されてきます。
3、は明らかに弾けないものありえないということ。
例えば、6弦1フレットの音が出てて
1弦11フレットが押さえられるはずありません。
なんらかのトリックを除けばですが・・・。
とにかくチャレンジすることが、上達の道です。
コツとしては、一番高い音を採って、次に一番低い音を採る。
後は、内声で1音でも採れれば選択肢が限定されます。
色々な指のフォームを試して合っているコードを探してみてくだい。
第50回:耳コピのすすめ<楽器編>
ギターを持ちながらコピーするのは、
ギターのサウンドが一番採りやすいですが、
是非、他の楽器のコピーをすることもお勧めします。
楽器にはそれぞれ特徴があります。
音域にしてもそうですし、フレーズにしても
楽器により演奏し易いフレーズというものが存在します。
また、管楽器やピアノの演奏を採り練習することで
ギターの可能性を更に引き出すことが可能です。
通常、ギタリストでは考えもつかないアイデアが
そこに眠っていたりします。
楽器の特異性を理解することで、
今後別の楽器と演奏する機会に恵まれたときに
巧く対応できるようになります。
私はピアノのフレーズをよくコピーしました。