コードについて
生徒さんからそんなお悩みを頂戴したので今回は「ジャズギター 綺麗なコードの探し方!」を少し説明していこうかと思います。とは言っても、ジャズギターで使用するテンションコードはギター初心者にとってはとても難しいと思いますので今回の講座は上級者を対象とします。生徒さんの「いつも同じコードばかり押さえてしまう」というのは、実は私がレッスンで頻繁に指摘することでもあります。学習初期は難しいコードをなんとか押さえられるようにしよう!と必死で練習するのですが、いつしかアドリブの練習が7割、コードの練習が3割になってしまいます。そこそこ弾けるようになってくるとアドリブの事ばかり考え、アドリブばかり練習してしまうことも・・・。アドリブの仕組みを知るように、コードの広げ方も学んでみましょう。
ジャズギター 綺麗なコードの探し方
大事なこと
まず、始めに!新しく覚えたコードをただ弾くことはとっても簡単です。しかし!覚えたコードをいつ、どうやって弾くか?その前後関係を凄く考えなければならないことは覚えておきましょう。アドリブだって、最初にツーファイブフレーズを覚えて使っても取って付けたような感じがしますよね。コードだって同じです。でも、その時期は上達するための課程であって、取って付けた感じがするからと言って別の練習に移ってしまっては上達は望めません。スムーズに流れて聞こえるように前後関係を調整していく練習はフレーズでも、コードでも欠かせないことです。覚える以上の時間がかかるものだと心に刻んでおきましょう。
実践
最近では当たり前に聴くようになったこのコードで解説していきます。
Close Voicingと転回形
OpenとClose
Open Voicing とClose Voicingの違い
- Open Voicingは最低音と最高音が1オクターブ以上離れている
- Close Voicingは全ての音が1オクターブ内に収まっている!
つまり、このEm7(♭13)はOpen Voicingです!
低いEから高いEまでの中に収まっていなければClose にはならない!
インヴァージョン(Inversion)=転回形
コードがOpen Voicingだった場合は一旦Close Voicingにしてしまいましょう。「低音からミドレソ(ECDG)と積んでいたコードをCloseにしたい場合は、Eから高いEまでの中に収めれば良いのですから、ミソドレ(EGCD)」になります。この出来上がったClose Voicingから低音をオクターブ上に順に上げていくと転回形が出来上がります。「ファーストインバージョン」「セカンドインバージョン」「サードインバージョン」と呼びます。
クロースヴォイシング
転回形
注意ポイント
Close Voicingを低音のEから高いEまでに収めていますが、低いC音から高いC音、低いD音から高いD音、低いG音から高いG音ではないのは、今回、コードとして考えているためです。Voicingの理論としてはメロディ(コードのトップノート)から考えていきます。つまりトップノートであるG音は変更せず、低いG音から高いG音までの1オクターブ内に収めるため、低音からドレミソ(CDEG)となります。
Drop Voicing
Drop 2
ドロップヴォイシングについて学んでみましょう。まずコードの最高音をメロディだとして上から2声目を1オクターブ下へ落とします。5弦ルートの一般的なギターコードはこのDrop2になっていることが多いです。
Drop 3
同様に上から3声目を1オクターブ下へ落とします。6弦ルートの一般的なギターコードがDrop3になっていることが多いです。
Drop 2&4
同様に上から2声目と4声目を1オクターブ下へ落とします。かなり音域の広いコードになりますね。
Drop 2&3
これはあまり使用されませんが、可能性としては存在します。上から2声目と3声目を1オクターブ下へ落とします。トップのメロディがかなり離れてしまいますね。
Close VoicingからのDrop Voicing
それでは、Close Voicingとその転回形を含めた4種類のコードから、それぞれDrop Voicingしてみましょう。
軸となるEからのClose VoicingからのDrop Voicing
1st Inversion からのDrop Voicing
2nd Inversion からのDrop Voicing
3rd Inversion からのDrop Voicing
まとめ
ポイント
今回はEm7(♭13)コードの構成音(ECDG)のみを使用して、様々なVocingの可能性を探ってみました。コードによってはギターでは押さえらないコードが組み上がることもありますし、「これは使えないな!」と思えるコードもありますが、開放弦なども考慮してみましょう。そして、最初にも書きましたが、前後関係を調整して新しく覚えたコードをうまく使えるようになるまで練習はしてみてくださいね。私自身は1つ新しいコードを覚えたら、3ヶ月ぐらいはいろいろな曲で使い回しています。