無料ワンポイントレッスン#81〜#90
ホームページを最初に作った時(2003年)に書いていた「全175回の無料ワンポイントレッスン」です。古い記事のため、読みやすく配慮していない文字情報ですが、リニューアルで削除せずに残すことにしました。
第81回:視覚的に見るギター
ギターという楽器ほど平行移動が容易い楽器はないと思います。
そのメリットを多いに利用すべきだと思います。
私が今まで演奏してきて、
視覚的に覚えたことで一番役立っているものは
「トライアド(三和音)」です。
トライアドを視覚的に覚えるために、譜面に書き出してみましょう。
6弦からRoot(6弦)+3rd(5弦)+5th(4弦)
同様に5弦からのパターンに4弦からのもの、
最後に3弦からのパターンを書き出します。
原則として1弦に対して1つの音のみです。
計4種ありますね。
続いて3rd+5th+Rootというパターンも同様に書き出しましょう。
更には5th+Root+3rdのパターン。
それぞれ4種類ずつで計12種のトライアドが出来ました。
音階を覚えるよりもこちらの方が利用価値は高いと思います。
例えば、C-7~F7といった進行があったとして
「CDoriain~FMixo-lydianを弾こう」とはあまり考えておりません。
勿論、意識以下のレベルでは理解しております。
演奏中、何かを考えているとすれば、
「E♭△(C-7)~D△(C-7~F7間)
~D♭△(F7)→C△(B♭)」
のような流れを考えている事の方が圧倒的に多いです。
しかし、これはまだアイデアの段階であって、
実際このアイデアで弾こうとした時にはうまく出来ない場合があります。
視覚的にトライアドを理解していると、
上記のようなアプローチを取る時非常に便利です。
そして、私の演奏の中には
アッパーストラクチャーを用いたアプローチが多いのも事実です。
トライアドにはメジャーだけでなくマイナーやオーグメント、
ディミニッシュがあります。(勿論他にもありますが)
音階ばかりのソロから少し離れてみてはいかがでしょうか?
第82回:オクターブを知る
オクターブ奏法というものがありますが、
オクターブの位置関係を理解するのは非常に重要なことです。
これも前回同様、視覚的にという事です。
ピアノであればドの位置が視覚的に分かり易いため、
「ここまでで1オクターブ」というのが分かります。
しかしギターには何フレットまでと区切ることは出来ません。
例えば初めて聴く音階を弾くにしても
オクターブが見えていると「ここから、ここまでだな」
といった具合に検討がつきます。
オクターブを知らないと、気付いた時には
1オクターブを越えて音階を弾いているかも知れませんね。
オクターブの形は2種類しかありません!
さぁ早速覚えてしまいましょう。
ポイントは「間に1つ」
6弦5フレット+4弦7フレット。
6~4弦間には5弦がありますね。
また5~7フレット間にも6フレットがあります。
間に1つずつ入っています!
この手の形をしっかり覚えてください。
この形が1オクターブです。
さて、2弦が絡んでくるとフレットが1つ広がります。
4弦~2弦間は間に1つの弦と2つのフレットになります。
ソのオクターブを見てみましょう。
4弦5フレット+2弦8フレット
同様に3弦5フレット+1弦8フレット
と2弦を間に挟んだ場合も変化します。
文章で書くとオクターブが凄い難しい感じになってしまっていますが、
正直簡単です。
この機会にオクターブの形2種類を覚えてしまいましょう。
何度も書きますが
「コツは間に1つ。そして2弦が絡んできたらフレット2つ」
第83回:繋いでみなよ!ジャズらしく
最もジャズらしいと感じるラインは
やはりクロマチックな音階だと思います。
クロマチックな音階とは半音で進むラインが入っているということです。
日本ではあまり馴染みがありませんが、
海の向こうではビ・バップ・スケールなるものが存在します。
名前の通りビ・バップの演奏で多く聴かれる音です。
このスケールについて書かれた
HOW TO PLAY BEBOPという教材も
海外から出版されていますので
興味のある方は読んでみてはいかがでしょう?
海外の教材といっても、ほとんど実例集のようなものでしたよ。
このスケールを使用することで
○7コードのM7音や○ー7コードのM3音などが
半音で繋がれた状態で入ってきます。
そこがジャズらしさが一番出るところなのかも知れません。
以前書いた音価について読んで頂いた後、
音価の低いところで半音階を使用して音価の高いところに
コードトーンなどを持ってくる練習をしてみてはいかがでしょうか。
第84回:囲ってみなよ!ジャズらしく
前回のクロマチックなラインに次いで
ジャズらしさを出す方法が囲むことです。
ディレイゾ・リゾルブというのですが、
ある出したい音の上下を囲んでやることです。
方法としてはスケール内の音で囲むのが一番無難かと思いますが、
計3パターン×2種類あります。
①音に対して半音上下の音で囲む。
②音に対して全音下、半音上の音で囲む。
③音に対して半音下、全音上の音で囲む。
2種類とは上の音から始めるか
下の音から始めるかの違いだけです。
※全音上下の音ではあまり効果がありません。
狙う音を装飾する感じで使用すると
とても良いものになりますよ。
また、このように装飾された後の音は
装飾されない時よりも音価が高くなります。
コードトーンや本当に出した音に向かって囲んでみましょう。
第85回:左手を安定させる鍵
どんなフレーズを弾いても
左手が安定していることが最大の目標です。
知っているフレーズを早く弾くことが出来ても
アドリブとなると、とたんに指は不安定になるものです。
そこで重要なのは不安定の状態の指を知り、
そうならないように訓練することです。
さて、不安定な状態とはどうのような時でしょうか?
私が思うに
第一関節がアーチを描いていない時
(逆に曲がっていたり、伸びきっているとき)は
無駄な力が入っています。
※勿論、和音を弾くときやフレーズにより
伸ばしていないと弾けない場合もあります。
そして、1本の第一関節が不安定だと
全ての指がバラバラとうまく押さえられなくなってしまいます。
音階を弾く時、速いテンポで演奏する時、
第一関節がいつも同じ角度で曲がった状態で
弦を押さえられるように意識して練習してみましょう。
効果的なのはアルペジオをトレーニングする練習です。
例えばCM7のアルペジオを順に弾いていきます。
5弦3f→5弦7f→4弦5f→3弦4f→
2弦5f→1弦3f→1弦7f・・・を今度は上から下がる。
次にD-7のアルペジオ
5弦5f→5弦8f→4弦7f→3弦5f→
2弦6f→1弦5f→1弦8f・・・を今度は上から下がる。
このように弦移動の激しい指使いで第一関節を安定させることが、
普段の演奏にも効果的なのです。
しかし、どんなに上手くなっても激しすぎる音が頭に鳴り、
それを弾こうとすれば指がもつれます。(経験大有り)
ですから、
自分の弾けるギリギリのレベルを知ることも重要だと思います。
第86回:支える指が大事
支える指=親指
ポジションを移動する際、
いつも親指まで一緒に動いてしまう方が意外と多くいらっしゃいます。
まずネックを握らずに親指を裏に付けた状態で
ギターを持ってかまえてみてください。
左手をネックと平行に横に振ってみましょう。
私の指の場合、5f裏に親指を付けたとしたら
人差し指は6弦2f~8fまで動かすことが出来ます。
だから?と言われてしまいそうですね(笑)
つまり、少しくらいのポジション移動は
わざわざ親指まで移動させなくても十分弾けます。
常に指がフレットと垂直になっていなくても良いんです。
また、この横の振りを知るとペンタトニック・スケールなどで
1つのポジションでしかソロを取れなかった方が
隣のポジションも織り交ぜて弾く事が可能になってきます。
例題)Aマイナーペンタトニック・スケール上での動き
4弦5f→4弦7f→3弦5f→3弦7f→
4弦7f→4弦9f→3弦7f→3弦9f・・・最初から。
今回説明しているのは、このような演奏をする際に
ポジション移動はするけれど、
親指は動かさないということです。
第87回:少しおかしな想定訓練
私の練習に対する考え方は
「とにかく意識をしっかりと持つこと、規制をすること」が多いです。
では、今回は少しおかしな想定訓練と行きましょう。
ここで何を想定するかが大事になってきます。
恐ろしいテクニックを持つタック・アンドレスは
「ウェス・モンゴメリーの代理として弾いている」
という意識を持って練習していると聞いたことがあります。
大切なのは
それが自分にとって有益な結果をもたらせてくれているということ。
タックはきっと、
そう思うことでいつもポジティブで
適度な緊張感を感じながら演奏していられるのでしょう。
さて、少し話がそれましたが
今回は弦が切れた時を想定します。
幸な事に私は今までステージ上で弦が切れたことはありません。
ですが1本切れたところで演奏が大きく変わってしまっていては
聴いている方もがっかりです。
マイナス・ワン・テープを利用すると
どうもパラパラと弾いて終わってしまうことが多いのですが、
2弦を弾かないように!
・・・次は3弦・・・・
のような規制を設けてみましょう。
手癖の多い方ほど、
この演奏がどれだけ難しいか理解出来ると思います。
第88回:納得できない時
ギターを弾いていて納得出来ない時・・・・
以前に書いた「いきづまる」
とはまた違う気がします。
いきづまるのは本当にどうしたらいいのか
道すら見えていない状況であり。
今回の「納得出来ない時」というのは
分かってはいるけど、どうも納得いかない時です。
私の場合、常に演奏したい方向がありますが
やはり納得出来ない時期が周期的に襲ってきます。
「何故だろう?」
とあれこれ考えましたが、
結局そんな疑問に答えなんか出てこないんです。
結論として、私はこう思うようにしています。
私の心の音楽の技術が上達したのだ!
と。。。つまり自分の演奏技術は変わらないけれど、
自分の心の奥底で求める音楽がよりハイレベルになった為に
今の演奏が納得いかないんだ!と思うようになりました。
そう思うようになったきっかけは、
納得いかない時期の演奏でもお客さんに伝わりますし
実際、録音してみると自分が思う程悪くないんです。
つまり、自分が演奏している最中により
高度な演奏を心が求めているんです。
参考になるかはわかりませんが
プラス思考のようなもので、
演奏ではなく心でも、
「上達している」と思うと不思議と難なく乗り越えられるものです。
第89回:頭を柔らかく!
「これは飽きた!単純でつまらない!」
音楽をやっていて、
場面場面でそう思う方は意外に多くいると思います。
曲に対して感じる人、音階に対して感じる人、
ハーモニーに対して感じる人。
人は誰でも飽きる瞬間がありますし、
つまらないと感じる時もあるでしょう。
そこで終わるか、もう1歩先に進むかは全て貴方次第です。
おぉ、怪しい通販商品の決め台詞のようだ(^^)
人は飽きた、つまらない等と感じたらその事に関して
何故かそれ以上考えようとしないんです。
それはつまり全て自分のせいではなく
素材のせいだと決めつけているからですね。
ジョン・コルトレーン(sax)は
Cのメジャースケールのみで数時間も練習したそうです。
私はその話を聞いてから、飽きたと思った時は自分を責めます。
勿論、自分を責めても「飽きた~」って言いますよ(^^)
私だって人間ですからね。
でも、心の片隅では自分の中で生まれるのを待っています。
その素材が生まれかわるアイデアをです!
これは単純な音階だからつまらない↓
まだまだ未知の組み合わせがあるのでは?
これは単純な和音だから使えない↓
意外な使える場所があるのでは。
こんな曲はつまらない↓
面白くさせるアイデアがあるのでは?
音楽の世界を広げるのも狭めるのも
全て貴方次第だと気付いてほしいです。
第90回:スウィングしましょう
私がジャズを学び始めたころ、
マイルスやコルトレーンの演奏を聴きながら
ドラムのシンバルの音に身体を揺らしてました。
それは4ビートのスウィング感を
なんとか吸収したかったからです。
自分の中でスウィングのリズムが出来上がるまでは
CDに合わせて一緒に弾いたりもしましたよ。
好きなミュージシャンのコピーをするにでも、
そのリズムまでコピーするべきだと思います。
ジョーパスのスウィングと、
ジムホールのスウィングは明らかに違いますし。
ジョンスコとメセニーの違いも明確ですね。
ジャズでは演奏途中にラッシュやレイドバックといった
リズムをわざとずらす事もあり、
基本的な自分のスウィング感を体得するのが大切だと思います。
そこで私はドラムのシンバルを聴いたわけです。
最初のうちは「チーン、チッキ、チーン、チッキ」というリズムが
「イーン、チッキ、イーン、チッキ」と
インチキ呼ばわりされているようで不快でしたよ(^^)