今回はJimmy Raney 晩年の作品「Wisteria」から。トミーフラナガン(Pf)ジョージ・ムラツ(Ba)というドラムレストリオで、ジャズギターらしい心地良い作品から、コール・ポーターの名曲「Everything I love」です。「Wisteria」は植物の「藤」を意味します。藤棚を見ているかのような素敵なサウンドです。
目次
Analysis
8、9小節目
ポイント
Jimmy Raneyはプログレッションを想定して演奏することが多々あります。ここではCm7とB♭m7をスムーズに連結出来るようにBm7を少し導入しています。
18小節目
ポイント
A7でAugmentアルペジオの連結。AugmentアルペジオはWhole Tone Scaleから導き出せますのでホールトーン全ての音、つまりRootから、9thから、3rdから、#11thから、♭13thから、♭7thからAugmentアルペジオが演奏可能となります。
25、26小節目
ポイント
このラインはJimmy Raneyが頻繁に演奏する手癖ライン(手グセって言うと聞こえは悪いですが、ジミーが好むラインということですね)そうは言っても、レイニーは癖がかなり少ないミュージシャンの1人です。タイムや音が少しずつ違ったりしています。Bm7は意識していませんね。
50〜53小節目
ポイント
あまりにも流麗なライン。レイニーはダブルタイムでも、安定したプレイが聞けます。きっとこう言ったラインが自然と出てくるんだろうな〜と思います。
63、64小節目
ポイント
終止の部分で「IIm7ーV7ーIM7」を「IIm7ーV7ー♭VIM7ー♭IIM7」と進行させています。エンディングなどでよくあるパターンです。
Jimmy Raney
Jimmy Raneyは私の好きなギタリストの一人です。派手さはないので最初は良さが分からなかったのですが、聴けば聴くほど良さが分かってくるので、「スルメ」みたいな人!とよく生徒に説明しています(笑)
初めて動画を見たときは感動でした。